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<目次>
1.介護認定の申請方法とは
2.介護認定の認定調査について
3.介護保険における「特定疾病」とは
4.介護保険サービスの種類を知る、選ぶ
5.福祉用具を買う、借りる
 5-1.購入できるもの→特定福祉用具販売
《特定福祉用具販売》
 5-2.借りることができるもの→福祉用具貸与
《福祉用具貸与》
6.(例)介護保険を使った生活
 6-1.(例)介護生活タイムスケジュール

「公的施設」とは、国や地方自治体、社会福祉法人が運営している施設になり、介護度の重い方や低所得者の保護と支援に重点が置かれています。 「民間施設」とはその名前の通り、株式会社などの民間企業が運営する施設となり、高齢者のニーズを満たすことに重点が置かれ、多種多様なサービスが幅広くあります。

1「公的施設」とは

「公的施設」には特別養護老人ホーム養護老人ホーム介護老人保健施設介護医療院ケアハウスの5種類の“介護保険施設”がありそれぞれ異なる特徴があります。

 特別養護老人ホーム

特別養護老人ホームは、「特養」と呼ばれる、在宅での生活が困難になった要介護の高齢者が入居できる公的施設です。在宅での生活が困難になった要介護3以上(特例の要介護1・2)の高齢者が入居でき、民間運営の有料老人ホームなどと比べると費用が安いのが特徴です。
〈入居条件〉
・受け入れ介護度:要介護3~5
・認知症の受け入れ:軽度のみ可
・その他の条件:65歳以上
〈入居するメリット〉
・費用が安い(一時金はなく、所得に応じた費用の減免制度もあります)
・24時間介護が受けられる(介護スタッフは24時間常駐しています)
・原則として終身にわたり入所できる
・倒産のリスクが少ない(民間企業に比べ倒産のリスクは少ないといわれています)

 養護老人ホーム

養護老人ホームは、特別養護老人ホームとは異なり、介護を必要としている高齢者のための施設ではなく、経済的に困窮している高齢者を受け入れる場所です。
そのため、介護施設という扱いではなく、食事や健康管理などのサービスはありますが、基本的に介護サービスは受けられません。また、長期的な利用も難しく、入居者が自立した生活が送れるように支援します。
〈入居条件〉
・受け入れ介護度:自立
・認知症の受け入れ:不可
・その他の条件:生活保護を受けている高齢者
〈入居するメリット〉
・経済的支援を受けることができる
・万が一の緊急時には対応してもらえる(夜間も職員が最低1人常駐している)

 介護老人保健施設

介護老人保健施設は、「老健」と呼ばれる、長期入院をしていた方が、退院して家庭に戻るまでの間に利用されることの多い施設です。設備面から見た「老健」の特徴は、機能訓練室が充実しているという点です。そのほか、キッチンやトイレ、浴室など生活に必要な設備が一通りそろっていますが、基本的にすべて共有設備で、個人用の設備は用意されておらず、食堂やリビングも共同利用となっています。
〈入居条件〉
・受け入れ介護度:要介護1~5
・認知症の受け入れ:軽度のみ可
・その他の条件:日常生活に戻るためにリハビリが必要な高齢者(3か月の短期入所)
〈入居するメリット〉
・機能訓練が充実( PT、OT、STが指導する)
・費用が安い(初期費用は無料、月額利用料も民間施設と比較すると安い)
・要介護1から入居できる

 介護医療院

介護医療院とは、2018年4月の第7期介護保険事業計画に則り、新たに法定化された施設です。2017年度末で廃止となった「介護療養型医療施設」に代わり、長期的な医療と介護の両方を必要とする高齢者を対象に、「日常的な医学管理」や「看取りやターミナルケア」等の医療機能と、「生活施設」としての機能を提供できる施設です。
介護医療院には、設備基準があるため、診察に適した診察室、1人あたり床面積8.0㎡以上の療養室、40㎡以上の機能訓練室、談話室、食堂、浴室、レクリエーションルームなどが必ず設置され、長期の療養に適した施設となっています。
〈入居条件〉
・受け入れ介護度:要介護1~5
・認知症の受け入れ:可
・その他の条件:日常的な医療ケアが必要な高齢者
〈入居するメリット〉
・介護と医療ケアが同時に受けられる
・生活機能向上のためのリハビリを受けることができる

 ケアハウス

ケアハウスは比較的安い料金で利用できる「軽費老人ホーム」に含まれ、一般型と介護型に分けられます。
一般型のサービスの内容には掃除、洗濯などの生活支援サービスや、食事の提供、緊急時の対応などが含まれます。
介護型ケアハウスは、介護保険法における『特定施設入居者生活介護』という指定を受けた施設で、スタッフによる介護サービスを提供するのが特徴で、入居できるのは、独居生活に不安がある要介護度1以上の方となります。一般型と同様のサービスに加え、食事や入浴、トイレなどの介助、機能訓練や通院の付き添いなどのサービスが受けられます。
〈入居条件〉
・受け入れ介護度:「一般型」自立~要支援」、「介護型」要介護1以上
・認知症の受け入れ:「一般型」不可、「介護型」軽度のみ可
・その他の条件:「一般型」身寄りがなく生活に不安がある60歳以上、「介護型」独居生活に不安がある65歳以上
〈入居するメリット〉
・プライバシーが確保できる(入居者全員が個室)
・レクレーションが多彩
・費用が安い

2「民間施設」とは

「民間施設」には介護付き有料老人ホーム住宅型有料老人ホーム健康型有料老人ホームサービス付き高齢者向け住宅グループホーム高齢者向け分譲マンションの、6種類があります。

 介護付き有料老人ホーム

介護付き有料老人ホームは、有料老人ホームのうち、行政から「特定施設入居者生活介護」として指定を受けた施設のことで、「介護専用型」「混合型」「自立型」の3種類に分かれます。
「介護専用型」
→介護専用型の入居対象者は、要介護1以上の方に限定されています。
「混合型」
→要介護・要支援の方も、自立した方も、どちらも入居が可能です。
「自立型」
→自立している方が入居できます。
〈入居条件〉
・受け入れ介護度:自立~要介護5
・認知症の受け入れ:可
・その他の条件:60歳以上(施設により60歳未満でも可能)
〈入居するメリット〉
・充実した介護、看護的ケア
・施設数が多いため他と比較できる

 住宅型有料老人ホーム

住宅型有料老人ホームは、要支援・要介護認定者や、施設によっては介護を必要としていない自立した高齢者も利用できます。
住宅型有料⽼⼈ホームの特徴のひとつに、さまざまな⽣活援助サービス、介護サービスを入居者の必要に応じて⾃由に組み合わせて利⽤できるという点があります。
また、施設によっては医療機関と連携していて、内科の往診や⻭科の検診を受けることもできます。
〈入居条件〉
・受け入れ介護度:自立~要介護5
・認知症の受け入れ:軽度のみ可
・その他の条件:60歳以上(施設により65歳以上もあり)
〈入居するメリット〉
・様々な外部の介護サービスを自由に選択できる。
・予算に合わせて施設を選ぶことができる
・要介護度が低くても入居できる

 健康型有料老人ホーム

健康型有料老人ホームは、介護が不要で、自立した生活が送れる人のための施設です。そのため、介護が必要になったら退去しなければならなりません。高齢化社会が進んでいる日本においては、その施設数はごくわずかとなっています。
アクティブにシニアライフを楽しむための設備が充実している施設が多く、フィットネスやプール、カラオケルーム、麻雀ルーム、温泉などを備えているところもあります。
〈入居条件〉
・受け入れ介護度:自立のみ
・認知症の受け入れ:不可
〈入居するメリット〉
・一人暮らしという不安からの解消
・活動的に生活できる

 サービス付き高齢者向け住宅

サービス付き高齢者向け住宅は、「老人ホームを検討しているけど、今のところ介護は必要ないし、ある程度のことは自分でできる」という方向けの施設です。
サービス付き高齢者向け住宅で義務付けられているのは「安否確認サービス」「生活相談サービス」のみで、介護サービスの提供がない分、自由度の高い生活ができます。
〈入居条件〉
・受け入れ介護度:自立~要介護3
・認知症の受け入れ:軽度のみ可
・その他の条件:60歳以上
〈入居するメリット〉
・生活の自由度が高い
・入居しやすく退去させられにくい
・施設数が増えてきており、選択肢が広い

 グループホーム

グループホームは、認知症の⾼齢者が介護スタッフの援助を受けながら、5〜9人のユニットで共同生活を送る介護施設です。グループホームの特徴として、認知症ケアの一環とした食事の準備や洗濯掃除などの家事を役割分担をもちながら生活します。
また、地域交流や季節ごとのレクリエーションなども充実しているので、社会や人との関わりを持ちながら生活を送ることができます。
〈入居条件〉
・受け入れ介護度:要支援2から
・認知症の受け入れ:可
・その他の条件:65歳以上、認知症と診断されている、施設のある市区町村に住民票がある
〈入居するメリット〉
・認知症の進行を抑制する効果に期待できる
・住み慣れた地域で生活できる

 高齢者向け分譲マンション

高齢者向け分譲マンションとは、法的な制約を受けない、高齢者が生活しやすいように配慮されたバリアフリー完備の分譲マンションのことです。
富裕層を入居対象としていることが多く、購入後は売却、譲渡、賃貸を自由に行うことができ、子どもに相続させることもできます。設備はフィットネスジムや温泉、シアタールーム、レストランなど、マンションの特徴として充実させているところが多くあり、コンシェルジュサービスや食事の提供、家事サポート、緊急時対応、見守りなど多彩なサービスがあります。
〈入居条件〉
・受け入れ介護度:自立~
・認知症の受け入れ:基本的に不可
・その他の条件:支払い可能か審査あり
〈入居するメリット〉
・老後の生活が充実する
・居室のリフォームもできる